西洋医学から見た不妊の原因
2016.02.18
排卵障害
排卵障害には、視床下部―下垂体―卵巣系の異常により発生します。
そして障害部位により、中枢性と卵巣性に大きく分類されます。
①中枢性排卵障害
中枢性無月経の障害部位は、視床下部と下垂体と考えられますが下垂体性の障害はめったになく、中枢性排卵障害のほとんどは、視床下部障害です。
高プロラクチン血症も排卵障害の原因になる場合がありますが、ほとんどが薬剤性のもので、一部に下垂体腫瘍によるものがあります。
②卵巣性排卵障害
卵巣性排卵障害には、多嚢胞卵巣症候群(PCOS)と早期卵巣機能不全(POF)
があります。
卵管の閉鎖
卵管の閉鎖の原因として一番多いのは骨盤内の炎症です。
こういう炎症によって卵管が細くなったり、通らなくなったり、そのような状態になってしまいます。卵管は、精子と卵子の結合のための通路でもありますので、通りにくい、癒着しているという場合は当然精子と卵子が出会うことができず妊娠できなくなります。
生殖器官の炎症
これは、内生殖器、外生殖器両方とも含まれます。たとえば、膣の炎症とか外側の炎症が逆流して上に行くと卵管などにも影響を与えます。
子宮内膜症
子宮内膜は子宮の内側をおおっている粘膜で、受精卵が着床して胎児へと成長していく場所です。卵巣から分泌されるホルモンに反応して周期的に
増殖と脱落を繰り返しています。子宮内膜が脱落する際出血するのが月経です。
子宮内膜症とは、子宮内膜と同様な組織が子宮の内側以外の場所で増殖して月経のたびに出血と炎症を繰り返す病気です。
多くは、骨盤内の臓器(子宮、膀胱、大腸、小腸、卵巣、卵管やその周辺)に発生し、だんだん強くなる月経痛、月経時の軟便、下痢、排便痛、性交痛などの自覚症状がある場合が多いです。
卵巣内に血液が溜まると、卵巣嚢胞を形成し、中の血液が古くなったものをチョコレート嚢腫と呼んでいます。
子宮腺筋症
子宮内膜が子宮筋層内に発生した場合を子宮腺筋症と呼び、ひどくなると月経時に出血が多くなったり、月経痛が強くなるのが特徴です。
生殖器の良性の腫瘍
子宮筋腫とか卵巣嚢腫など
免疫や色々な感染歴が素因になるもの
今まで原因不明と言われていたものですが、色々な先端的な技術関連学科の研究の進展によって解明しつつあります。
たとえば、抗精子抗体とか抗卵巣抗体とか抗リン脂質抗体とか、抗子宮内膜抗体など。
もともとこれは、免疫分野の話なのです。こういう関連分野の研究によって不妊症の原因がわかるようになってきました。
最近は、マイコプラズマ感染とかクラミジア感染とかそういうような検査は非常に重要視されるようになってきました。
研究によりますと、そのような感染症は特に女性だけではなくて男性の精子の奇形をおこす可能性があるといわれています。このような性感染症は女性だけではなく、男性でも起こりうるので、共に影響を与えることがあります。
染色体の異常
基本的には、遺伝性の問題なので、薬で治りません。
その他
結婚をする年齢とか、教育を受けた程度とか、民族性、地域性、生活環境、など色々な素因に影響を受けます。
たとえば、アフリカでは、不妊の発症率が高いそうです。
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