子宮内膜症の漢方薬
2015.11.20
子宮内膜症とは
子宮内膜は子宮の内側をおおっている粘膜で、受精卵が着床して胎児へと成長していく場所です。卵巣から分泌されるホルモンに反応して周期的に増殖と脱落を繰り返しています。子宮内膜が脱落する際の出血が月経です。
子宮内膜症とは、子宮内膜と同様な組織が子宮の内側以外の場所で増殖して、月経のたびに出血と炎症を繰り返す病気です。多くは骨盤内の臓器(子宮、膀胱、大腸、小腸、卵巣、卵管やその周辺)に発生し、だんだん強くなる月経痛、月経時の軟便、下痢、排便痛、性交痛などの自覚症状があります。
子宮内膜が子宮の筋肉中に発生した場合を子宮腺筋症と呼び、月経時に出血が多く痛みが強いのが特徴です。卵巣の中に血液がたまると、卵巣嚢胞を形成し、中の血液が古くなったものを卵巣チョコレート嚢胞と呼んでいます。
子宮内膜症によって繰りかえされる出血と炎症は骨盤内の臓器に癒着を生じさせます。卵巣や卵管周辺の癒着はそれだけでも不妊症の原因になりますので、今すぐの妊娠を望んでいない方であっても漢方薬を使って治療しておいた方が良いでしょう。
子宮内膜症の原因は、明確にはわかっていません。先天的なものという説や、一説では月経のときに卵管を通っておなかの中に逆流する月経血にあると考えられています。逆流した月経血には剥がれ落ちた子宮内膜や子宮内膜を発生させる因子が含まれていて、それらにさらされる回数が多くなればなるほど子宮内膜症になる確率が高くなるといわれています。最近の子宮内膜症の増加傾向も、「初経年齢の低下に加えて結婚の高年齢化が進み、第1子を妊娠するまでに迎える月経の回数が増えているため」と説明されています。
子宮内膜症の漢方薬治療
漢方薬は、一般的に、養血活血薬、清熱解毒薬、化痰燥湿薬を同時に用います。